日本の土着の魔女になりたい。でも「魔女」という言葉に少し迷っている

日本の土着の魔女になりたい。でも「魔女」という言葉に少し迷っている

こんにちは、ユウです。

最近、自分が将来的になりたい姿を、一言で表すコピーについて考えています。

私はこれまで、ノンバイナリー/Xジェンダーとしての自分のことや、性別への違和感、自分らしい生き方について発信してきました。

30歳を過ぎてから自分のセクシュアリティに気づき、そこから少しずつ、自分の輪郭を言葉にしてきたように思います。

でも最近、もうひとつ別の問いが出てきました。

それは、

自分を取り戻したあと、私はどんな自分になりたいのか。

という問いです。

自分が何者なのかを知ることは、とても大切です。
でも、それはたぶんゴールではなく、入口なのだと思います。

では、その自分で、これからどんな暮らしをしたいのか。
どんなものを大切にしたいのか。
どんな人になっていきたいのか。

そのことを考えたとき、今のところ一番しっくりきている言葉があります。

それが、

日本の土着の魔女

という言葉です。

ただ、この言葉はかなり気に入っている一方で、少し迷いもあります。

なぜなら私は、ノンバイナリーとして発信してきた人間だからです。

「魔女って“女”って入っているけど、それでいいの?」
「ノンバイナリーなんでしょ?」
「女性になりたいということ?」

そんなふうに聞かれることもあります。

自分では納得している言葉なのに、説明しなければならない場面が生まれる。
今日は、そのことについて、今感じていることを書いてみたいと思います。

目次

なぜ「日本の土着の魔女」という言葉に惹かれるのか

私が「魔女」という言葉に惹かれるのは、ファンタジーの中で空を飛ぶ存在になりたいからではありません。

もちろん、そういう物語の魔女も好きです。
ミステリアスで、不思議で、少し危うくて、でもどこか自由な存在。

そういうイメージにも惹かれます。

でも、私が目指したい「魔女」は、もっと暮らしに根ざしたものです。

季節の移ろいを肌で感じる人。
土地の自然や植物とともに生きる人。
梅仕事、味噌作り、漬物、干し野菜など、季節に合わせた手仕事をする人。
和ハーブや薬草を学び、暮らしの中に取り入れる人。
神社や里山を歩き、土地の歴史や信仰に触れる人。
地域に残る民話や妖怪、伝承を調べる人。
民芸品や伝統工芸の由来に興味を持つ人。
そして、日々の暮らしの中で感じたことを、詩や曲や絵などの創作につなげていく人。

そういう存在に、私は強く憧れています。

「魔法使い」という言葉も考えました。

でも、私の中では「魔法使い」だと、少しファンタジーや個人の能力に寄った響きがあります。

私が惹かれているのは、もっと生活に根ざしたものです。
特別な力で何かを変えるというより、土地の知恵を暮らしの中に宿している人。

その感覚に、今のところ一番近い言葉が「魔女」でした。

私にとっての魔女は、女性ではなく、土地の知恵を宿す人

私にとって「魔女」は、性別ではなく、あり方を表している感覚に近いです。

もしかしたら、私が憧れている存在に一番近いのは、田舎のおばあちゃん的な人なのかもしれません。

ただ、それも年齢や性別の話ではありません。

梅を漬ける時期を知っている。
草花の名前を知っている。
味噌や漬物の仕込み方を知っている。
その土地に残る昔話を覚えている。
ものを簡単に捨てず、直したり、使い切ったりする。
季節の変化に合わせて、暮らしを少しずつ整えていく。

そういう、土地の知恵を暮らしに自然と宿している人。

私は、そういう存在に憧れているのだと思います。

それは「おばあちゃん」でも「おじいちゃん」でもなく、性別を超えた、暮らしの知恵びとのような存在です。

ただ、「暮らしの知恵びと」だけだと、私が感じているミステリアスさや、民話や妖怪の気配、創作へつながる不思議さまでは、少し届かない気がします。

だから今の私には、やっぱり「日本の土着の魔女」という言葉が近いのです。

でも「魔女って女だけどいいの?」と聞かれる

とはいえ、自分では納得していても、周りの人に話すと引っかかる人はいます。

家族に話したときにも、

「魔女って女だけど、それでいいの?」

という反応がありました。

もちろん、その反応はある程度想定できます。

日本語では「魔女」と書くし、そこに「女」という字が入っている。
しかも私は、ノンバイナリーとして発信してきました。

だから、周りの人が疑問に思うこと自体は、自然なのかもしれません。

でも、自分が好きで選んだ言葉なのに、ノンバイナリーであるがゆえに、また説明が必要になる。
そのことに、少し疲れる自分もいます。

「私はこの言葉を性別の意味で使っているわけではなくて」
「女性になりたいという意味ではなくて」
「土地に根ざした知恵や手仕事への憧れで」

そんなふうに、毎回説明しなければならない。

それは、少しだけ、ノンバイナリーだとカミングアウトしたときの感覚に似ています。

カミングアウトのときの「説明しなきゃいけなさ」を思い出す

ノンバイナリーだと伝えたとき、私はいろいろな説明をしてきました。

ノンバイナリーとは何か。
女性ではないとはどういうことか。
男性になりたいのか。
性別がないという感覚とは何か。
今までと何が変わるのか。

もちろん、知らない人に説明することは大切です。
言葉を知らなければ、相手が戸惑うのも自然なことだと思います。

でも、自分の存在を毎回説明しなければならない感覚には、疲れることもあります。

今回の「魔女」という言葉も、それに少し似ているのかもしれません。

私はただ、将来的になりたい自分を表す言葉として、この言葉に惹かれているだけです。

でも、そこに「ノンバイナリーなのに魔女?」という問いが重なると、また説明から始めなければならない。

本当は、そこではなく、

どんな暮らしに憧れているのか。
どんな知恵を身につけたいのか。
どんな創作をしていきたいのか。
どんな自分になっていきたいのか。

そういう話をしたいのです。

受け入れられやすいコピーも探したい

だからといって、「日本の土着の魔女」という言葉を捨てたいわけではありません。

むしろ、かなり気に入っています。

ミステリアスな感じ。
土地に根ざした生き方。
植物や手仕事の匂い。
民話や妖怪の気配。
創作につながる余白。

それらを一言で含められる言葉として、今の私には「日本の土着の魔女」が一番近いです。

ただ同時に、周囲にもある程度受け取ってもらいやすいコピーがあると、より良いなとも思っています。

たとえば、

暮らしの知恵びと。
土着知恵びと。
里の知恵使い。
土地の知恵を暮らしに宿す人。

AIにコピーの候補を出してもらうと、こんな言葉も出てきました。

特に「暮らしの知恵びと」という言葉は、性別感が少なくて、私が目指している方向に近いです。

でも、その言葉だけだと、「魔女」という言葉にある不思議さや引力が少し薄くなる。

説明しやすさを取ると、世界観が少し薄まる。
世界観を取ると、説明が必要になる。

その間で、今少し迷っています。

今のところ、最善の名前は「日本の土着の魔女」

もっとぴったりくる言葉が、いつか見つかるかもしれません。

もしかしたら、数年後の私はまったく別の言葉を使っているかもしれない。

でも今の私にとって、
季節、土地、植物、手仕事、民話、妖怪、創作、そして少しの不思議さ。

それらを一番近く束ねられる言葉は、やっぱり「日本の土着の魔女」なのだと思います。

だから、ひとまずこの言葉を使ってみたいです。

これは完成された肩書きではありません。

正しさを証明したい言葉でもありません。
誰かを威圧するための言葉でもありません。
資格や肩書きとして名乗りたいわけでもありません。

今の私が、なりたい自分に向かって歩いていくための、仮の名前です。

自分を取り戻したあと、なりたい自分を目指すために

私はこれまで、自分のセクシュアリティや違和感について発信してきました。

自分が何者なのかわからなかった頃。
女性として生きることにしっくりこなかった頃。
恋愛や家族や社会の当たり前に、うまく乗れなかった頃。

そういう自分の中のモヤモヤを、少しずつ言葉にしてきました。

そして、ノンバイナリーという言葉に出会い、Xジェンダーという言葉に出会い、自分の輪郭が少しずつ見えてきました。

でも、自分のアイデンティティに気づくことは、ゴールではありませんでした。

むしろそれは、入口でした。

「私はこういう人間だったんだ」とわかったあと、次にやってくる問いがあります。

では、その私で、どう生きていきたいのか。

私は、その問いへの答えを、これから少しずつ探していきたいのだと思います。

梅仕事をする。
味噌を仕込む。
和ハーブや薬草を学ぶ。
地域の民話や妖怪を調べる。
神社や里山を歩く。
子どもたちと季節の手仕事をする。
詩や曲や絵を作る。

そういう日々の中で、自分を取り戻した私が、なりたい自分に向かっていく姿を記録していきたい。

それが、私にとっての「土着魔女修行」なのだと思います。

今は、この言葉を頼りに、なりたい自分の方へ少しずつ歩いていこうと思います。

自分を取り戻したあと、どんな自分になっていくのか。

その記録として、これから少しずつ、土着魔女修行を書いていきます。

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。

もし今、 「誰にもわかってもらえない気持ちを、ずっと抱えてきた」 「普通を装ってきたけれど、本当の自分が置いてけぼりになっている」 そんな感覚を、少しでも持ったことがあるなら。

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『ユウからの手紙』

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