AIと一緒に自分の好きな夏服を探していたら、服の好みとは別の、思いがけないことに気づきました。
私はこれまでずっと、「自分の好きな服がわからない」というのが悩みでした。
でも最近、自分の好きなものを使うことや、自分なりのこだわりを持つことが、人生を豊かにしてくれると感じるようになったのです。そして、同時に好きな服のジャンルさえ把握できていないことに、少し焦りを感じていたのです。
でも、AIからの問いに答えながら考えを言葉にしていくうちに、少し違うことが見えてきました。
ノンバイナリーの私が、自分の姿を重ねられる服が見つからない
私が服を探しにくいと感じる背景には、ノンバイナリーとして、自分の着ている姿を重ねられるロールモデルがなかなか見つからないこともあります。
男性モデルを見ても、女性モデルを見ても、「この人には、この服がすごく似合うな」と思います。でも、その服を着た自分の姿は、うまく想像できないんです。
女性向けの服は、肌の出る部分が多かったり、明らかにフェミニンなデザインだったりすると、自分が着ているところがまったく思い浮かびません。
かといって、メンズらしい服や、ボーイッシュな装いをしたいわけでもありません。私が求めているのは、もっと中間的な、性別がわからないような服装です。
ただ、サイズ感や丈感を考えると、体が女性である私は女性向けの服のほうが参考になります。見た目の方向性は重ならないのに、サイズを見るには女性モデルが近い。そのギャップがあります。
中性的な服装をしている人を探しても、フェミニンかボーイッシュのどちらかに大きく振れた人が多く、今の日本で「この人を参考にしたい」と思える人は、なかなか見つかりません。
一人でも見つかれば、「この人が着ている服、いいな」と思えるのかもしれません。でも、その一人を探すところから始めるのが、だんだん面倒になってしまいます。
話してみたら、好きな服の輪郭はすでにあった
それでも、AIと一緒にさまざまな夏服を見ながら、気になったものについて話してみると、私の好みは少しずつ言葉になっていきました。
植物や動物、虫、魚。博物画のように、対象の姿がわかるリアルな絵。パウル・クレーの作品を思わせる、自然に近い濁りや揺らぎのある多色使い。幾何学模様も好きです。
ただ華やかなだけではなく、大人っぽく知的な印象の中に、遊び心がある服に惹かれます。
柄を見たときに、そこから人物や風景、暮らしまで思い浮かぶような服が好きです。
こうして並べてみると、「好きな服が何もわからない」というわけではありませんでした。自分の中にはすでにいくつもの「好き」があって、それをまだ服選びの軸として整理できていなかっただけでした。
子育て中の今は、動きやすくて洗いやすい服がいい
では、好みがわかったら、その服を買いたいのか。
考えてみると、好みがわかったことと、実際に買うことの間には距離がありました。
今の私は、子どもと過ごす日には、お気に入りの服や、お出かけのときに着たい格好いい服、かわいい服を普段使いしていません。
子どもはまだ、食べこぼしをしたり、鼻水やよだれが出たりする時期です。抱っこをすれば、肩口にさっき食べたミートソースがついていることもよくあります。
動きやすさも大切です。服によって少しでも可動域が狭くなると、子どもと一緒に動くときには不便に感じます。
もし買ったばかりのお気に入りを着て、汚されてしまったら、きっとこう思います。
「やっちまったな」
「ああ、なんでこの服を着ちゃったんだろう。絶対汚れるってわかっていたのに」
法事やお葬式、結婚式など、子どもと一緒でも正装しなければならない日は、何を着るか迷います。そういうときは、汚れることを覚悟してシャツなどを着て、汚れたら染み抜きをします。
でも、普段の生活では、そこまでして着たいとは思いません。動きやすくて、快適で、汚れても洗いやすい服のほうが、今の暮らしには合っています。
お気に入りを避けているわけでもなかった
一方で、お気に入りの服をすべて大切にしまい込んでいるわけではありません。
以前、グラニフで買ったパウル・クレーのTシャツがあります。気に入って何度も着ているうちに、日焼けや洗濯で柄が薄くなりました。
でも、そんなふうに着古したお気に入りは、かえって着やすくなっています。
着心地がよく、洗いやすい。もう二度と出会えないと思うほど特別扱いする服でもない。そんなお気に入りは、今もヘビーローテーションしています。
子どもと過ごすから、自然と動きやすくて快適な服を選ぶようになった。結果的には、そういうことなのだと思います。
そして、今持っている服で数は十分です。実用性を考えれば、今の私は、今の暮らしにとって一番いいものを着ています。
子どもも大人も服を汚すこの時期に、あえて新しい服や、いい服を追加で買う必要は感じていません。買わなければ家計の節約にもなりますし。
今の服装に不満があるわけではないのです。
「好きな服を知りたい」と「今、服を買いたい」は別だった
AIと話し始める前の私は、「なぜ、自分の好きな服やジャンルが見つからないんだろう」とモヤモヤしていました。
けれど、自分の考えをどんどん外に出していくうちに、ふと気づきました。
「ああ、私は別に、今は買いたいわけじゃないんだな」
好きな服のジャンルや雰囲気を知ることには、強い興味があります。服の画像を見て、どんなところにワクワクするのかを考えるのも楽しい。
でも、好みがわかることと、それを今すぐ購入することは、別の話でした。
無意識に、「今は買わなくていいや」と思っていたのだと思います。
このことがわかると、「早く自分のスタイルを見つけなければ」という焦りも少し減りました。
今の私がしている服探しは、買うためというより、未来の自分のためのリサーチなのです。
未来に、納得できる一着を選べる自分でいたい
子どもが少し大きくなって、また自分の服を探求したいと思えたとき、「そうそう、私はこういう服が好きだった。これを選んでいこう」と思えるようにしておきたい。
そして将来は、見た目の好みだけでなく、素材についても学びたいと思っています。
私は、地球に優しい暮らしを子どもと一緒にしていきたいです。
自分が服を買うことが、環境への意識を持ってものづくりをしている生産者さんたちに還元される。そんな選び方ができたらいいなと思います。
デザインが好きで、自分に似合う。着心地がよく、素材にも納得できる。環境への配慮という面でも、「これを選んでよかった」と思える。
鏡に映った自分を見て、「納得して買ったんだよね、これ」と、ちょっと誰かに自慢したくなる。
そんな服を着られたら、自分をもっとポジティブな気持ちにしてくれると思います。
以前、気に入ったベリーショートの髪型になったことで、鏡を見るのが少し楽しくなった経験を記事にしました。
→ 鏡を見るのが少し楽しくなった。お気に入りの髪型が教えてくれたこと
自分で気に入り、納得したものを選ぶことは、見た目を整えるだけではありません。鏡を見たときに嬉しくなり、自分を大切にできていると感じる。私にとっては、心にもよい影響を与えてくれることでした。
だから、自分は何が好きなのか。どんなときにテンションが上がり、ワクワクするのか。それをできるだけ把握しておくことは、今後の自分のためになると思っています。
やっぱり今は、新しい夏服を買わなくていいや。
今の暮らしに合う服を着ながら、自分の「好き」だけは見失わずに集めておこう。
いつか服を選びたくなったとき、デザインにも、素材にも、その服が作られた背景にも納得して、自分に似合う一着を選べるように。

