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先日、図書館でベニシアさんのエッセイとDVDを借りました。
ベニシア・スタンリー・スミス(Venetia Stanley-Smith)さんは、日本の京都・大原の古民家で自然豊かなライフスタイルを実践し、多くの人に愛されたイギリス出身のハーブ研究家・エッセイストです。
実は『猫のしっぽ カエルの手』は、放送当時から好きな番組で、後半は録画して見ていたほどです。
今回借りたのは春・夏を描いた作品。
改めて見返してみると、「やっぱり素敵だな」と思う一方で、自分が本当に惹かれていたものが何だったのかが見えてきました。
私が憧れたのは、庭ではありませんでした
ベニシアさんといえば、美しい庭やハーブのある暮らしを思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん、その暮らしも本当に魅力的でした。
でも、見終わったあとに私の心に残っていたのは、庭そのものではありませんでした。
私が惹かれたのは、
暮らしの中で生まれた気づきを、丁寧に受け止め、それを言葉や作品にしていく姿勢。
植物を育てることも、
地域の人と交流することも、
伝統的な暮らしを学ぶことも、
すべてが「遊び」であり、「学び」であり、「仕事」になっている。
そんな生き方そのものに、私は心を動かされました。
私は何がやりたいんだろう?
ベニシアさんの本を読みながら、自然と自分に問いかけていました。
「私は何がしたいんだろう?」
考えてみると、私は庭づくりそのものに強い憧れがあるわけではありません。
むしろ惹かれるのは、その土地にもともとある自然です。
森を歩くこと。
野草を眺めること。
風の匂いを感じること。
夕日に思わず立ち止まること。
そういう何気ない瞬間に、自分の心がふっと動く感覚があります。
そして、その感覚を言葉や詩、エッセイとして残していくこと。
それが、私のやりたいことなのだと気づきました。
「好き」は頭で考えるものではないのかもしれない
ここ最近、自分自身で試していることがあります。
それは、
「身体が先に反応した瞬間」を記録すること。
例えば、
- 気づいたら写真を撮っていた。
- 気づいたら立ち止まっていた。
- 気づいたら空を見上げていた。
- 気づいたらメモを取りたくなっていた。
そんな瞬間です。
面白いのは、その場では理由が分からないこと。
でも、記録を続けていると、少しずつ共通点が見えてきます。
「あ、私は木の香りが好きなんだ。」
「夏の青空を見るとワクワクするんだ。」
「鳥の声を聞くとホッとするんだ。」
そんなふうに、自分でも知らなかった「好き」が見えてきます。
自己理解は、身体から始めてもいい
世の中には、
「自分らしさを見つけよう」
「強みを見つけよう」
という言葉がたくさんあります。
でも私は最近、
自己理解は頭よりも身体が先なのではないかと思っています。
「私は何が好きなんだろう?」
と考えても分からないことがあります。
でも、
「私は何に反応してしまう人なんだろう?」
という視点で見てみると、不思議と答えが見えてくることがあります。
考える前に身体が動いてしまう。
その反応の中に、本当の自分が隠れているのかもしれません。
「心の還る場所あつめ」を始めたい
最近、私の中で温めているプロジェクトがあります。
名前は、
「心の還る場所あつめ」
です。
これは、自然の写真を集めるプロジェクトではありません。
「心が動いた瞬間」を集めるプロジェクトです。
写真でもいい。
スケッチでもいい。
言葉でもいい。
音楽でもいい。
大切なのは、その人が無意識に反応した瞬間を残すこと。
そうして集めた記録を振り返ることで、
「私はこういうものが好きな人なんだ」
「これが私にとって安心できるものなんだ」
と気づけるようになる。
そんな時間を作っていけたらと思っています。
私が目指したいのは、「安心して帰れる場所」を増やすこと
自然の中にいると、
「特別でいなければいけない」
「何か秀でていなければいけない」
というプレッシャーから少し解放されます。
木も草も虫も、
誰かと比べて生きているわけではありません。
ただ、そこに存在しています。
だから私も、
「何者かにならなくてもいい。」
そう思えるのです。
いつか私は、そんな体験を誰かと分かち合える場を作りたいと思っています。
何かを教える場所ではなく、
一人ひとりが自分自身の中にある「安心して帰ってこられる場所」を見つけられる場所。
ベニシアさんの本を読んで見つけたのは、憧れの暮らしではありませんでした。
私自身が、本当に届けたいもの。
その輪郭が、少しだけ見えた一冊でした。

