QPRとは?恋愛でも友情でもない関係を、当事者の視点でやさしく解説

こんにちは。
3児の親でありXジェンダー。30歳から「自分らしい生き方」を探求中のユウです。

QPRとは、恋愛感情や性的な関係を必須とせず、当事者同士が大切に育てていくパートナーシップを表す言葉です。

ただ、「友情より上」「恋愛の代わり」と、きれいに分けられるものでもありません。どこまで生活を共にするか。どんな言葉で呼ぶか。それも人によって違います。

私自身、友人と恋人の違いがよくわからない感覚や、恋愛とは別の形で誰かを大切に思う感覚について、ずっと考えてきました。

この記事では、QPRの基本的な意味を確認しながら、既存の関係の名前に収まらない感覚も、そのまま置いてみたいと思います。

目次

QPRとは?まず短く意味を説明すると

QPRは、Queerplatonic Relationship(クィアプラトニック・リレーションシップ)の略です。

恋愛・性愛を必ずしも前提とせず、当事者同士が特別なパートナーシップとして位置づける関係を表すために使われます。

たとえば、「恋人と呼ぶのは少し違う。でも、ただの友人という言葉だけでは表しきれない」と感じる関係です。

QPRには、全員に共通する決まった条件があるわけではありません。

  • 恋愛感情を前提としない
  • 性的関係の有無は関係によって異なる
  • 強い信頼関係や、人生を共にしたいという思いがある場合もある
  • 当事者同士で関係性を定義する

同居する人もいれば、別々に暮らす人もいます。「パートナー」と呼ぶ人もいれば、QPRという言葉を周囲には使わない人もいるでしょう。

QPRかどうかを外側の誰かが診断するものではなく、その言葉を使うかどうかも本人たちが決めるものだと私は思っています。

クィアという言葉については、こちらの記事で詳しく書いています↓

QPRは友情や恋愛と何が違う?きれいに分けられない部分もある

QPRがよく誤解されるのが、「それって親友では?」という点です。

友情との違い

以前の私は、「友情より深い関係」と説明すればわかりやすいと思っていました。

でも、友情にもさまざまな深さがあります。「友情より上」と言ってしまうと、友人との大切な関係を小さく扱うことにもなりかねません。

QPRという言葉を使う人のなかには、

  • 人生の選択を共にする
  • 同居や共同生活をする
  • 経済的に支え合う
  • お互いをパートナーとして認識する

という関係を築く人もいます。

けれど、これらをすべて満たさなければQPRではない、ということでもありません。友情との違いは行動の一覧だけではなく、本人たちがその関係をどう捉えているかにもあるのだと思います。

恋愛との違い

QPRでは、恋愛感情が関係の必須条件ではありません。

「恋愛感情はよくわからない。でも、この人を大切にしたい」
「恋人という呼び方には違和感がある。でも、一緒に生きていきたい」

そんな感覚からQPRという言葉に出会う人もいます。

一方で、感情を恋愛か友情かに切り分けること自体が難しい人もいます。私も、誰かに向ける「好き」がどの箱に入るのか、うまく説明できないことがあります。

だからここでも、「恋愛ではない」と他人が決めるのではなく、本人たちの言葉が大切になります。

結婚との違い

結婚は届出によって法律上の関係が生まれる制度です。一方、QPRは関係性を表す言葉であり、QPRと呼ぶこと自体によって婚姻と同じ法的効果が生じるわけではありません。

制度や必要な手続きは、関係の形や住んでいる自治体によって変わります。暮らしや医療、住居などの具体的な手続きを考える場合は、自治体や公的機関の最新情報を確認してください。

QPRという言葉が生まれ、広まった背景

QPRという言葉は、
アロマンティックやアセクシャルのコミュニティを中心に広まってきました。

恋愛感情や性的欲求が少ない、またはない人にとって、

  • 恋人は必要ない
  • でも「一緒に生きたい人」はいる

という感覚をどう表現するかは、長く難しい問題でした。

「友だち」では足りない。
「恋人」でもない。

そんな関係に名前を与えたのが、QPRです。

QPRに決まった形はない|同居・別居・性的関係の有無

QPRには「正解」がありません。

たとえばこんな形があります。

  • 同居して生活を共にする
  • 家計を一緒にする
  • 日常を密に共有する
  • 子育てを一緒にする
  • 家族や周囲に「パートナー」として紹介する

また、

  • 性的関係がある場合
  • まったくない場合

どちらも存在します。

この一覧に当てはまらない関係もあります。

大切なのは、外側の基準に合わせることではなく、当事者同士が関係について話し、納得できる形を探していくことです。

QPRを選んだ当事者の声(むらかみさんの事例)

LGBTQ+当事者の声を紹介するメディア『THE NEW TOKYO』では、QPRを選んだ方の事例が紹介されています。

「性的行為を伴わないセクシュアルマイノリティ同士による関係性のことを指すそうです。自分自身がアセクシュアルのグレイ寄りで、恋愛感情を抱くことがあまりないアロマンティックな部分もあるので、すごく自分にしっくりきて。現在は4人で2022年7月頃からQPRを結んでいます。」
– むらかみさん(QPR当事者)
出典:<https://the-new-tokyo.com/queer-platonic-relationship/>

「誰かと時間を共にする楽しさは知っていたので、『1人で生きていくしかない』と諦めるのは違うなって。だったら、QPRを結ぶという人生を選ぼうと。」
– むらかみさん
出典:同上

これはあくまで一例ですが、

  • 恋愛にこだわらない生き方
  • 自分に合った関係性の選択

として、QPRが選ばれていることがわかります。

クィアプラトニックな関係のかたち

セックスをする場合も、しない場合もあります。
恋愛感情がないことが前提でも、「大切な人」としての強い結びつきは共通しています。

あるReddit(海外の掲示板)ユーザーは、こんなふうに語っています。

"Honestly, it sounds ideal. A committed partner without the expectation of romance or sex."
(正直、理想的だと思う。恋愛やセックスを求められない、でも一緒に人生を歩むパートナー。)
出典:<https://www.reddit.com/r/asexuality/comments/1adkijr/have_you_ever_thought_of_being_in_a_qpr/>

「それは親友では?」と言われたときに残るもの

QPRという言葉を初めて聞く人からは、しばしばこんな反応があります。

「それって“親友”ってことじゃないの?」
「恋人じゃないのに、なぜ一緒に住むの?」
「セックスもしないのに、パートナーなの?」

こうした疑問に対して、うまく説明できずに悩む人も少なくありません。

QPRを「恋愛でも友情でもない第三の関係」と説明することもあります。けれど、すべての人が同じ場所に線を引いているわけではありません。

説明しようとするほど、自分の感覚がこぼれていく。そんなこともあるのではないでしょうか。

「QPR」という言葉があることで、自分たちの関係を説明しやすくなったり、安心できたりする人がいます。その一方で、まだ言葉を選べない人や、あえて名前をつけない人もいます。

QPRと制度について考えるとき

QPRという呼び方だけで、婚姻と同じ法律上の関係が生まれるわけではありません。

自治体によってはパートナーシップ宣誓制度がありますが、対象者や利用できるサービスはそれぞれ異なります。また、自治体の宣誓制度は法律上の婚姻そのものではありません。

病院での対応、住居、財産、緊急時の意思表示など、具体的に備えたいことがある場合は、「QPRだから大丈夫」と考えず、住んでいる自治体の公式案内や専門家に確認することが大切です。

制度は変わることがあります。この記事では細かな条件を固定的に書かず、確認先を置いておきます。

QPRに関する質問

QPRに恋愛感情は必要ですか?

必要ありません。恋愛感情がある場合もありますが、前提ではありません。

QPRに性的関係はありますか?

関係によって異なります。ある場合も、まったくない場合もあります。

QPRは親友と何が違うのですか?

行動だけで明確に分けられるものではありません。生活や将来を共にする人もいますが、本人たちがその関係をどう捉え、どんな言葉を選ぶかも大切です。

QPRは結婚と同じ法的な関係ですか?

QPRと呼ぶこと自体で、婚姻と同じ法的効果が生じるわけではありません。利用できる制度や手続きは、自治体などの最新情報を確認してください。

QPRはアセクシャルやアロマンティックだけのものですか?

QPRはアロマンティックやアセクシャルのコミュニティを中心に広まってきた言葉ですが、その言葉を使う人のあり方は一つではありません。自分や相手の関係をQPRと呼ぶかどうかは、他人が診断するものではありません。

名前があることで救われる人と、名前を選ばない人

「恋愛じゃないなら友だちでしょ?」
そんなふうに言われてしまう関係に、

ちゃんと名前がある

それだけで救われる人がいます。

もちろん、「ラベルをつけたくない」という選択も大切です。

言葉は、入らなければならない箱ではなく、今の自分を少し説明しやすくするための道具なのかもしれません。

使ってみて違うと思ったら、手放してもいい。まだ決められないなら、その途中にいてもいい。

QPR的な関係は、意外と身近にあるかもしれない

あなたのまわりにも、こんな関係はありませんか?

  • 恋人ではないけど、長く一緒に暮らしている
  • 血縁がないのに家族のような存在
  • 一番信頼している相手

それはもしかすると、クィアプラトニックな関係なのかもしれません。

まとめ|まだ名前を決められない関係も、そのままでいい

恋愛や結婚だけが、人生のゴールではありません。

  • 恋人じゃなくても
  • セックスがなくても

「大切な人と生きていく」ことはできる。

QPRという言葉が、あなた自身や、誰かとの関係を見つめ直すひとつのきっかけになることもあります。

でも、この記事を読み終えた今も「自分たちはQPRなのかわからない」と感じているなら、それも自然なことだと思います。

関係は、言葉を決めた瞬間に完成するものではありません。私自身も、まだ考えている途中です。

あなたは、どんなときに「この人は、ほかの誰かとは少し違う」と感じますか。

今すぐ答えにしなくても、その感覚を急いで片づけずに置いておけたらと思います。

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ここまで読んでくれて、ありがとうございます。

もし今、 「誰にもわかってもらえない気持ちを、ずっと抱えてきた」 「普通を装ってきたけれど、本当の自分が置いてけぼりになっている」 そんな感覚を、少しでも持ったことがあるなら。

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