Xジェンダーとは?意味・種類・トランスジェンダーとの違いを簡単に解説【当事者の体験談付き】

「Xジェンダーとは何?」「ノンバイナリーとの違いは?」「自分はXジェンダーかもしれない?」

そんな疑問を持って、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

Xジェンダーとは、男性・女性という二元的な性別の枠に当てはまらない、または当てはまらないと感じる人の性自認を指す言葉です。日本独自の表現で、海外では「ノンバイナリー(non-binary)」という言葉が近い意味で使われています。

近年は認知も広がりつつありますが、

・Xジェンダーの意味がよくわからない
・トランスジェンダーとの違いを知りたい
・割合はどれくらいなのか気になる
・診断はあるの?
・戸籍はどうなるの?

といった疑問を抱える人は少なくありません。

この記事では、

・Xジェンダーの意味と定義
・中性・無性・両性・不定性といった種類
・トランスジェンダーとの違い
・日本での歴史や割合データ
・当事者である私の体験談

を、できるだけわかりやすく解説します。

「これが自分なのかもしれない」と感じている方にも、
「正しく理解したい」と思っている方にも、
安心して読んでいただける内容を目指しました。

あなたの疑問やモヤモヤを、ひとつずつ整理していきましょう。

目次

Xジェンダーとは?意味と定義

Xジェンダーとは、自分の性別を「男性」「女性」といった既存の枠に当てはめない、または当てはまらないと感じる人々の性自認のひとつです。

生まれつきの身体的特徴や性器によって割り当てられた性別(出生時の性別)ではなく、自分が「自分をどう感じるか」に基づいています。

国際的には「non-binary(ノンバイナリー)」や「genderqueer(ジェンダークィア)」などが近い表現として使われており、日本では独自に「Xジェンダー」という言葉が浸透しています。

Xという文字は、「不確定」「未定」「中間」といった意味を含み、あえて分類しきれない性のあり方を象徴しているのです。

Xジェンダーの種類|中性・無性・両性・不定性の違い

Xジェンダーとひとことで言っても、感じ方は本当に人それぞれです。その中でも、共通する傾向としてよく挙げられるのが、以下の4タイプです。

1. 中性(ちゅうせい)

「男性でも女性でもない」「どちらでもあるようで、どちらでもない」そんな中間的な感覚を持つ人。外見やふるまいも、中性的なスタイルを好む人が多いですが、それも人それぞれです。

2. 両性(りょうせい)

男性性と女性性の両方を、自分の内面や表現の中に持っていると感じる人。日によって、どちらの性の要素が強くなると感じることもあります。

3. 無性(むせい)

「そもそも性別という考え方自体にピンとこない」「自分の中に性を感じない」という感覚を持つ人。性別という枠そのものに、意味を感じない場合もあります。

4. 不定性(ふていせい)

日や状況によって、自分の性自認が変化する人。一定ではなく、流動的なあり方を持つ人で、「ジェンダーフルイド」とも呼ばれます。

「Xジェンダー診断はある?」── 自分の性自認を知るためのチェック

「自分はXジェンダーかもしれない」と感じたとき、“公式な診断テスト” のようなものがあるの? と気になる人も多いはずです。
結論から言うと、日本では医療機関や政府が正式に行う性自認の診断テストのようなものは存在しません。ただし、自分の感覚を言葉にする手助けになるセルフチェック系の診断はいくつかあります。

たとえば、
無料で受けられる「セクシュアリティ診断(JobRainbow)」。

というオンライン診断は、あなたの性のあり方やモヤモヤ感を整理するヒントになります。
この診断では、回答に応じてLGBTQ+の中でどの立ち位置に近いか(ノンバイナリー/Xジェンダー含む)が表示されたり、性自認や恋愛観の傾向がわかったりします。

JobRainbowさんが提供しているセクシュアリティ診断についてはこちらの記事で書いています↓

Xジェンダーの語源と日本での歴史

「Xジェンダー」という言葉は、1990年代後半に日本の関西圏で生まれたとされています。ジェンダーやセクシュアリティの多様性について議論される場で、既存の「男性」「女性」以外の性を表現する言葉として登場しました。

2000年には、LGBTQ+の当事者グループ「G-Front Kansai」が発行する雑誌『Poco a poco』でも特集され、次第に認知されていきました。

“X”という文字には、「交差する」「未知数」「分類されない」といった意味が込められており、男性・女性のどちらにも分類できない性のあり方を象徴しています。

つまり、「自分自身の性を、誰かが用意した枠で説明しなくていい」——その自由さを表す言葉が、Xジェンダーなのです。

参考:An Introduction to X-Jendā: Examining a New Gender Identity in Japan

Xジェンダーの割合はどれくらい?日本の最新データ

では、実際にどのくらいの人がXジェンダーに該当するのでしょうか?

電通が実施した「LGBTQ+に関する意識調査(2023)」では、以下のような結果が報告されています。

  • ノンバイナリー(Xジェンダー含む):1.38%
  • トランスジェンダー:1.15%

日本の人口約1億2,000万人に当てはめると、約138万人がXジェンダーに該当する計算になります。

つまり、100人に1〜2人は「男性でも女性でもない」と感じながら生きているということです。

調査によって数字にバラつきはありますが、決して珍しい存在ではないことがわかります。

参考:LGBTQ+調査2023(Dentsu Diversity Lab / 電通グループ)

Xジェンダーとノンバイナリーの違いは?

結論から言うと、大きな意味ではほぼ同じ概念を指します。
ただし、言葉が生まれた背景と使われる文脈が異なります。

ノンバイナリー(Non-binary)とは

ノンバイナリーは、英語圏で使われている言葉で、
「男性(male)/女性(female)」という二元論(バイナリー)に当てはまらない性自認を意味します。

  • 男性でも女性でもない
  • 両方である
  • 中間的である
  • 流動的である
  • 性別を感じない

といった、幅広いあり方を含む包括的な言葉です。

現在では国際的にもっとも一般的な表現で、
海外の公的書類や研究、メディアなどでも広く使われています。

ノンバイナリーについてはこちらの記事で詳しく紹介しています↓

違いは「文化的背景」

両者の違いを整理すると、次のようになります。

項目ノンバイナリーXジェンダー
言語英語日本語
主な使用地域海外日本
成立背景ジェンダー理論・人権運動当事者コミュニティ発祥
意味男女二元論に当てはまらない性男女に分類できない性

つまり、概念はほぼ共通ですが、
「どの文化圏で使われているか」が主な違いです。

どちらを使えばいいの?

どちらを選ぶかは、本人の感覚次第です。

  • 国際的な文脈で話すなら「ノンバイナリー」
  • 日本語の中で説明するなら「Xジェンダー」

という使い分けをする人もいますし、
両方を併用する人もいます。

また、「ノンバイナリーの中にXジェンダーが含まれる」と考える人もいれば、
ほぼ同義語として扱う人もいます。

明確な正解はありません。

Xジェンダーとトランスジェンダーの違いをわかりやすく解説

「Xジェンダーってトランスジェンダーの一種なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

トランスジェンダーとは、生まれたときに割り当てられた性別と、自分が認識している性別(性自認)が異なる人のことを指します。

たとえば:

  • FtM(Female to Male)=女性として生まれたが、自分は男性と認識している人
  • MtF(Male to Female)=男性として生まれたが、自分は女性と認識している人

この場合、自認する性が「男性」または「女性」という二元的な枠にあるため、手術やホルモン治療などによる身体的な移行を希望する人もいます。

広義のトランスジェンダーに、Xジェンダーが含まれるケースも

Xジェンダーも「出生時の性別と現在の性自認が異なる人」として、トランスジェンダーの一部とされることもあります。

この場合、

  • FtX(Female to Xgender)
  • MtX(Male to Xgender) という呼び方をされることがあります。

広義(広い意味)ではトランスジェンダーに含まれますが、『男女どちらかへの移行』を目指す一般的なイメージとは異なるため、あえて区別して考える人もいます。

私が「中性」だと思ったきっかけ

私は生物学的には女性として生まれました。

けれど、小学生の頃から、「中性なんじゃないか」となんとなく思っていました。

スカートが苦手で、ピンクやフリフリの服も苦手。
でも「男の子になりたい」と思ったことはなかったし、男の子が着ているような服が着たいとも思わなかった。

中高では女子の制服を着ることが当たり前で、女子としてのふるまいを求められる場面が増えるたび、なんとも言えない違和感が膨らんでいきました。

「私=女性」と言い切ることに、違和感がある。
でも「私=男性」とも思えない。
そんな状態がずっと続いていたのです。

一番大きな転機は、出産と育児です。

母乳をあげる必要がなくなった瞬間、「女性として生きるのをやめよう」と思いました。

それは、「母乳をあげる=母親の仕事」と感じていた自分にとって、その役割が終わることで“女性である意味”がなくなったように思えたからです。

そんな時に出会ったのが、「Xジェンダー」という言葉でした。

男でも女でもない性があってもいい。
そう知ったとき、初めて自分という存在を正面から認識できたような気がしました。

ちなみに、最近では「中性」よりも「無性」に近い感覚があると感じる日もあります。

「性別を持っていないほうが、しっくりくるかも」
そんなふうに思う自分がいることも、素直に認められるようになってきました。

自分の性自認は、ひとつの固定された“答え”ではなく、経験や気づきとともに少しずつ変化していく“感覚”なのかもしれません。

そう思えるようになったのも、Xジェンダーという言葉に出会い、自分の内面に耳を傾ける勇気を持てたからだと思います。

Xジェンダーとして感じた困りごと・よかったこと

困ったこと

  • 書類の「性別欄」でどちらかを選ばされるときのモヤモヤ
  • 病院や公的機関などで「女性」として扱われる違和感
  • 「どっちなの?」という無神経な質問にどう答えればいいかわからない
  • 「母らしさ」「妻らしさ」など、ジェンダーに基づいた役割を期待されること

こちらの記事で、日常の中にある“Xジェンダーあるある”をまとめています。

よかったこと

  • 自分のことを素直に表現できるようになった
  • 同じような感覚を持つ仲間と出会えた
  • 性のあり方について深く考え、発信する機会ができた
  • 子どもに「多様性を教えられる親」になれたと感じる

「違うことは、悪いことじゃない」。 そう胸を張って言えるようになったのは、Xジェンダーという言葉に出会ってからです。

性自認は「病気」でも「気の迷い」でもない

「Xジェンダーって流行りなの?」「若い世代のファッション感覚では?」

そんな声を耳にすることがあります。

しかし、性自認(gender identity)は、医学的にも“病気”や“流行”として扱われているものではありません。

国際的な医学的見解

世界保健機関(WHO)は、2019年に「国際疾病分類(ICD-11)」を改訂しました。

それまで「性同一性障害」は精神疾患の項目に含まれていましたが、この改訂によって削除されました。

現在は「Gender incongruence(性別不合)」という名称で、
精神障害の章ではなく、「性の健康」に関する章へと移されています。

これは、

性自認そのものが「心の病気」ではない

という国際的な考え方が反映された変更です。

つまり、
「男性でも女性でもないと感じること」や
「出生時の性別と自分の性自認が一致しないこと」そのものは、
精神疾患とはみなされていない、ということです。

参考:
International Classification of Diseases, 11th Revision (ICD-11)

心理学の立場から

アメリカ心理学会(APA)も、

ジェンダーの多様性そのものは精神疾患ではない

と明確に述べています。

心理的な困難が生じる場合があるとすれば、それは性自認そのものではなく、
差別や偏見、社会的圧力によるストレスが原因であるとされています。

参考:
American Psychological Association. Guidelines for Psychological Practice with Transgender and Gender Nonconforming People


「流行」ではなく、可視化された存在

近年、Xジェンダーやノンバイナリーという言葉を耳にする機会が増えました。

それは「増えた」のではなく、
これまで言葉を持てなかった人たちが、ようやく自分を表現できるようになった、という側面が大きいと考えられています。

社会学やジェンダー研究においても、
性自認は生物学的要素と社会文化的要素が複雑に絡み合って形成されるものと説明されています。

つまり、性自認は「思い込み」や「気の迷い」ではなく、
一人ひとりの内面に根ざした自然な感覚なのです。

大切なのは、本人の感覚

性自認とは、
「これが自分だ」と感じる、内側から湧き上がる感覚。

誰かに決められるものでも、
一時的な流行で変わるものでもありません。

理解されにくいことがあったとしても、
あなたの感覚そのものが間違っているわけではないのです。

よくあるQ&A

Q. Xジェンダーとノンバイナリーの違いは?

A. Xジェンダーは日本独自の言葉で、ノンバイナリーは国際的な用語です。

どちらも「男性でも女性でもない、あるいは両方である」という性自認を指しますが、使われる文脈や文化的背景によってニュアンスが異なることがあります。

ノンバイナリーについては、こちらの記事で詳しく書いています↓

Q. 戸籍でXジェンダーを選べますか?

A. 現在の日本では、戸籍上の性別は「男性」「女性」の2択のみです。 Xジェンダーやノンバイナリーといった性自認を正式に反映させることは、現行制度上できません。

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あなたは、あなたのままでいい

Xジェンダーとは、男性でも女性でもない、またはその両方・中間・流動的といった感覚を持つ性自認です。

分類感覚の特徴
中性男性でも女性でもない中間的な感覚
無性性別という概念を自覚しない・感じない
不定性状況や時期によって性自認が流動する
両性男性性と女性性の両方を併せ持つ感覚

Xジェンダーは、個人の内面に根ざした自然な感覚。
誰かに認められなくてもいいし、説明ができなくても大丈夫。

「これが私らしさなんだ!」と思える感覚を、大切にしてほしいと思います。

この記事が、あなた自身の「気づき」の一歩になりますように。

あなたは、あなたのままでいい。

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。

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