私は、休憩をするのがめちゃめちゃ苦手です。
一度仕事に集中すると、疲れていることに気づいていても、そのまま惰性で続けてしまう。
自分でも「ここで一回休んだ方が絶対に効率がいい」とわかっているのに、止められない。
スポ根タイプなんですよね。
そしてようやく休憩する頃には、
「ちょっと休もう」
では回復できないくらい、すんごく疲れている。
結局、横になってしっかり寝ないと回復できない。
そんな働き方を、ずっと繰り返していました。
ところが最近、
「10分だけ、仕事とはまったく違うことをする」
という休憩を取り入れてみたら、これが思いのほか私に合っていました。
しかも面白いことに、仕事がしやすくなっただけではありません。
少しずつ家がきれいになって、自分の好きなことをする時間まで増えてきたのです。
朝9時から11時半まで、ぶっ通しで働いていた
これまでの私は、朝8時半ごろに子どもたちを保育園へ送り、9時前に家へ帰ってきたら、そこから11時半くらいまでぶっ通しで仕事をすることがよくありました。
しかも私は、あまり「やることリスト」を作らないタイプ。
思いついたことを、片っ端からやっていきます。
だから2時間半も働いているのに、
「今日はこれをやった!」
という達成感があまりない。
むしろ頭の中にはずっと、
「あれもやらなきゃ」
「次はこれをやらなきゃ」
が残っています。
そして、めちゃくちゃ疲れる。
特にパソコン仕事なので、目も疲れます。
午前中はまだいい。
でもそこで力を使い切ってしまうから、午後になるとほとんど集中できない。
結局、長い昼寝をしなければ回復できない日もありました。
長く働こうとして休まなかった結果、むしろ一日に働ける合計時間が短くなっていたんです。
「何もしない休憩」が、そもそも私には難しかった
だったら、ちゃんと休憩すればいい。
……という話なんですが。
それができないから困っていました。
たとえば、
「アイマスクをして10分間、静かに横になりましょう」
と言われても、私にはかなり難しい。
動いていないと落ち着かないんです。
横になるならむしろ、
「よし、30分寝るぞ」
くらいの覚悟で寝てしまった方がいい。
だから考えました。
休憩って、本当に何もせず、手も足も止めて、目を閉じていなければいけないんだろうか?
ぼーっとしているときだって、人は頭の中で何かを考えています。
だったら私の場合は、身体を完全に止めるのではなく、仕事で使っていた部分をいったん休ませるという考え方でもいいのかもしれない。
そう思うようになりました。
きっかけは、デスクを片付けたことだった
ちょうどその頃、自分の時間の使い方について書かれた本を何冊か読んでいました。
その中に、デスクを常にきれいにしておくと仕事がはかどる、という話がありました。
そこで、一度自分のデスクをきれいに片付けてみたんです。
すると、不思議なことに、
「ここも片付けたいな」
「そういえば、あそこも汚れてたな」
と、部屋のほかの場所も少しずつ整えたくなりました。
週末などに、気になっている場所をほんの少しだけ片付けたり、断捨離したりするようになりました。
すると、その時間が意外なほど心地よかった。
何かを磨いたり、物を仕分けたりしている間は、仕事とはまったく違うことに集中しています。
私にとっては、それがちょっとした瞑想のような時間になっていきました。
私にも「畑仕事や薪割り」のような時間がほしかった
実は以前から、羨ましいと思っていたことがあります。
仕事のスクールで一緒になった人たちの中には、オンラインで仕事をしながら、日中に畑仕事をしたり、草取りをしたり、薪割りをしたりする人たちがいました。
仕事の途中でも、必ず外へ出て身体を動かす時間がある。
そして、
「その時間が頭を休ませる、瞑想みたいな時間になっている」
という話を聞いたことがありました。
それが、すごく羨ましかったんです。
でも、今の私の暮らしに畑や薪割りを取り入れるのは難しい。
じゃあ、私にとっての「薪割り」は何だろう?
そう考えたとき、
家の掃除ならできるじゃん。
と思いました。
45㎡に5人。だから「10分掃除」が暮らしにも効いた
わが家は今、45㎡ほどの1LDKに5人で暮らしています。
激狭です。
だから、物を減らしたり、必要な場所に必要なスペースを作ったりすることが、そのまま暮らしやすさに直結します。
そこで仕事の休憩に、10分だけ掃除や片付けをするようになりました。
今日は服を一箱だけ全部出して、いる・いらないを判断する。
「あそこに埃がたまっていたな」と思ったら、その一角だけ掃除する。
玄関が汚れていたら、掃き掃除と拭き掃除をする。
換気をしながら10分だけ掃除する。
別の日には、ベビーカーのカゴをきれいにしたり、玄関マットを干したり、雨の日に使ったレインカバーや傘を干したり。
全部やろうとしない。
10分でできるところだけ。
それを繰り返していたら、家の中に少しずつ「きれいな場所」が増えてきました。
これが、ものすごく気持ちいい。
以前は「狭すぎる。もう引っ越すしかない」と思っていた家でも、
「ここをこうすれば、もう少し使いやすくなるかも」
と考えられるようになりました。
もちろん、いずれは引っ越すかもしれません。
でも今は、狭い家でうまく暮らしていく知恵を考えること自体を、少し楽しめるようになっています。
「家を片付ける」を、10分の粒々にしてみる
以前の私にとって、片付けはかなり負担の大きなものでした。
「やらなきゃ」
と思いながら何週間も放置する。
そして、いざやろうとすると、ものすごく膨大な作業に感じる。
始める前から精神的にドッと疲れていました。
でも今は、
「この一角を10分」
「この箱だけ」
「今日は玄関だけ」
と小さくしています。
構造的に言えば、スモールステップが連続している状態なのだと思います。
巨大な「片付け」というタスクを細かい粒々にして、一粒ずつ終わらせていく。
仕事のチェックリストに一つずつチェックがついていくような気持ちよさがあります。
そして数週間経って振り返ってみると、家全体が以前よりきれいになっている。
小さいことって、意外と侮れません。
10分休憩でSNSを見るのは、私には逆効果だった
一方、10分休憩に向いていないものもわかってきました。
私の場合は、SNSです。
「ちょっとだけInstagramを見よう」
と思ったはずなのに、気づいたらリールを見ている。
YouTubeを開く。
コメントが気になって確認する。
誰かに「いいね」をしに行く。
そこから、
「ほかにもフォローしたい人いないかな」
と探す旅に出る。
……帰ってこない。
何より、パソコン仕事でずっと画面を見ていたのに、休憩でもスマホの画面を見ていたら、目が休まりません。
仕事からも完全に切り替わらない。
だから今は、10分休憩ではできるだけ画面を見ないことを意識しています。
私がリフレッシュできるものも、少しずつわかってきた
この実験を続けているうちに、もう一つわかってきたことがあります。
私は、
きれいな場所にいること。
空気がおいしいこと。
いい香りがすること。
好きな音楽が流れていること。
そういうもので、かなりリフレッシュできるらしい。
だから10分の中に、それを意識して入れています。
窓を開けて換気しながら掃除する。
好きな音楽を聴く。
気になっていた場所を一か所だけきれいにする。
仕事とまったく違うことをしているうちに、頭のスイッチが一度切り替わります。
そしてまた仕事に戻る。
私には、この切り替えが合っていました。
「10分だけ休む」ことには研究もあるらしい
ちなみに今回調べてみて知ったのですが、仕事中のごく短い休憩は「マイクロブレイク」と呼ばれて研究されているそうです。
2022年に学術誌『PLOS ONE』に掲載されたメタ分析では、10分以内の短い休憩について19の研究、22の独立したサンプル、合計2,335人のデータが分析されています。
その結果、短い休憩には、疲労感を軽減したり活力を高めたりする小さいながら有意な効果が確認されました。
ただし、どんな仕事でも10分休めば仕事のパフォーマンスが上がる、という単純な結果ではありません。
特に頭をかなり使う仕事では、10分より長い休憩が必要になる可能性も示されています。
私自身も、体調が悪い日は無理に「10分掃除」をしません。
ご飯を食べたあと、
「今日はもう眠い。30分寝よう」
と思ったら寝ます。
10分休憩は、休むための新しいノルマではありません。
その日の自分に合わせて休み方を選ぶ。
そこは大切にしたいと思っています。
「好きなこと」も10分ずつ取り戻してみたい
そして最近、もう一つ試してみたいことがあります。
今、朝の時間の使い方についての本を読んだり、朝活手帳を使ったりしながら、自分の好きなものを100個書き出すということをしています。
もうすぐ100個が埋まりそうです。
これを眺めていて思いました。
この中にも、
「10分あればできること」
って、いっぱいあるんじゃないか。
たとえば、お茶を飲む。
本を読む。
音楽を聴く。
ほんの少し好きなことをする。
これまでの私は、朝起きたら真っ先に仕事を始めたり、休憩時間ができても、
「この時間、何するの?」
と持て余したりしていました。
でも「私が好きなこと」が100個あれば、そこから一つ選べばいい。
大げさな「自分時間」を確保しなくても、
好きなことを10分だけやる。
それだけでも、その日の終わりに、
「今日は仕事だけじゃなくて、好きなこともできた」
と思えるかもしれません。
私にとって休憩は、「仕事とは違う自分に戻る時間」なのかもしれない
以前の私は、休憩というものを「何もしない時間」だと思っていました。
だから苦手だったのかもしれません。
でも今は、
休憩=完全に停止すること
でなくてもいいと思っています。
仕事で目と頭を使ったなら、一度画面から離れる。
手を動かして掃除する。
窓を開ける。
お茶を飲む。
本を読む。
好きな音楽を聴く。
そして、本当に疲れているなら寝る。
そうやって、そのとき使いすぎているものから少し離れる。
私にとっての「休む」は、そういうものなのかもしれません。
仕事の合間に10分ずつ休むようになったら、不思議なことに仕事だけではなく、暮らしまで少しずつ整い始めました。
大きなことを一気に変えなくてもいい。
10分でできるくらいの、小さな粒にしてみる。
その粒々が積み重なっていくと、
「今日も仕事しかできなかった」
だった一日が、
「仕事もした。部屋も少しきれいになった。本も読めた。好きなお茶も飲めた」
という一日に変わっていく。
それって、けっこう豊かな一日なんじゃないかなと思っています。

