QPRとは?クィアプラトニック・リレーションシップ|恋愛を前提にしない深いつながりの形

こんにちは。
3児の親でありXジェンダー。30歳から「自分らしい生き方」を探求中のユウです。

このブログでは、「なんとなく生きづらさを感じている」そんなあなたに寄り添う言葉を届けています。

今回は、恋愛や性愛を前提としない、でも“深くて強いパートナーシップ”である「QPR(クィアプラトニック・リレーションシップ)」について。

その意味や背景、当事者の声、日本の制度との関係性まで、やさしく丁寧に解説していきます。

目次

QPRとは?恋愛や性愛を前提としないパートナーシップ

QPRとは、“Queer Platonic Relationship(クィアプラトニック・リレーションシップ)”の略称です。

一言で言えば、
「恋人や家族のように深い絆があるけれど、恋愛や性愛を前提としない関係」。

「クィア」は本来「変わっている」という意味を持ちますが、ここでは「既存の枠に収まらない」「異性愛や恋愛中心の価値観にとらわれない」というニュアンスで使われています。

この関係は、
・恋愛関係ではない
・性的関係も必須ではない
・けれど、人生を共にする存在として深く結ばれている

といった特徴を持ち、「ただの友だち」では語りきれない、“もうひとつのパートナーの形”として注目されています。

アセクシャル・アロマンティックな人がQPRを選ぶ理由

QPRという言葉は、アセクシャル(無性愛者)やアロマンティック(非恋愛指向)の人々の間で生まれ、広まりました。

恋愛感情や性的欲求があまりない、もしくはまったくない人にとって、
「誰かと一緒に生きたい」という気持ちをどう表現すればいいのかは、大きな課題でした。

「結婚するつもりもない」
「恋人を作りたいとは思わない」
でも、「ずっと一緒にいたい人がいる」

そんな気持ちに名前をつける手がかりが、QPRです。

アセクシャルやアロマンティックについてはこちらの記事にまとめています。

QPRを選んだ当事者の声(むらかみさんの事例)

LGBTQ+当事者のリアルを伝えるメディア『THE NEW TOKYO』に掲載された、むらかみさんの言葉です。

「性的行為を伴わないセクシュアルマイノリティ同士による関係性のことを指すそうです。自分自身がアセクシュアルのグレイ寄りで、恋愛感情を抱くことがあまりないアロマンティックな部分もあるので、すごく自分にしっくりきて。現在は4人で2022年7月頃からQPRを結んでいます。」
– むらかみさん(QPR当事者)
出典:https://the-new-tokyo.com/queer-platonic-relationship/

「誰かと時間を共にする楽しさは知っていたので、『1人で生きていくしかない』と諦めるのは違うなって。だったら、QPRを結ぶという人生を選ぼうと。」
– むらかみさん
出典:同上

クィアプラトニックな関係のかたち

QPRには決まった「正解のかたち」はありません。

たとえば
・同居して生活を共にする
・経済的に支え合う
・連絡を密に取り合い、日常を共有する
・家族や社会には「パートナー」として紹介する

セックスをする場合も、しない場合もあります。
恋愛感情がないことが前提でも、「大切な人」としての強い結びつきは共通しています。

あるReddit(海外の掲示板)ユーザーは、こんなふうに語っています。

“Honestly, it sounds ideal. A committed partner without the expectation of romance or sex.”
(正直、理想的だと思う。恋愛やセックスを求められない、でも一緒に人生を歩むパートナー。)
出典:https://www.reddit.com/r/asexuality/comments/1adkijr/have_you_ever_thought_of_being_in_a_qpr/

QPRは特別?よくある誤解と説明のむずかしさ

QPRという言葉を初めて聞く人からは、しばしばこんな反応があります。

「それって“親友”ってことじゃないの?」
「恋人じゃないのに、なぜ一緒に住むの?」
「セックスもしないのに、パートナーなの?」

こうした反応に、当事者が傷ついたり、説明に苦労する場面もあります。

QPRは、恋愛や性的なつながりとは異なる形で、人生における「重要な他者」との関係を築こうとするものです。

でも、社会的にはまだまだ「恋愛」や「家族」以外の関係性が理解されづらく、
「ちゃんと説明しなきゃいけないのかな」「変だと思われるのかな」と不安を感じる人も少なくありません。

だからこそ、「QPR」という言葉があることで、
自分たちの関係を説明しやすくなったり、安心できたりする人もいるのです。

QPRと法制度|日本の現状と課題

現時点で、QPRという関係性を法的に認める制度は、日本にはありません。

しかし、同性カップルを対象とした「パートナーシップ宣誓制度」は全国的に広がりつつあります。

パートナーシップ宣誓制度とは、同性のカップルが自治体に関係を認めてもらう制度。
法的な婚姻とは異なりますが、住居契約や病院での説明同席など一部の権利が認められる場合もあります。
出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Partnership_oath_in_Japan

QPRという名前をつける意味

「パートナーって、恋人のこと?」
「恋愛してないなら、友だちでしょ?」
そんなふうに見られることが、QPR当事者にとって大きなストレスになることもあります。

でも、QPRという言葉を知ったことで、
「この感覚に名前があったんだ」
「一緒に生きる人を、説明できるようになった」
と、安心したという声も多いです。

もちろん、「ラベリングしたくない」という気持ちも大切。
でも、「言葉がある」ことで救われる人がいるのも事実です。

QPR的な関係性は、意外と身近にもあるかも

あなたのまわりにも、こんな人がいませんか?

・恋人じゃないけど、何年も一緒に住んでいる
・血縁でもないのに「家族のような」関係
・一緒に暮らしていなくても、最も信頼している相手

もしかしたら、それはクィアプラトニックな関係なのかもしれません。

関連記事

アセクシャルとは?意味・種類・ノンセクシャルとの違いを解説
アロマンティックとは?恋愛感情がよくわからない私が出会った言葉たち
クワセクシャルとは?“愛の境界線”が曖昧な感覚と向き合う
セクシュアリティ診断を受けてみた話

おわりに

恋愛や結婚だけが、関係のゴールではありません。

「恋人じゃなくても、大切な人と人生をともにしたい」
そう感じている人にとって、QPRという言葉がひとつの道しるべになることを願っています。

あなたは、あなたのままでいい。

ここまで読んでくださって、
ありがとうございます。

「“ちゃんと”生きてるつもりなのに、なぜかずっと苦しい」

「この気持ち、誰にもわかってもらえないかも…とあきらめてきた」

「“普通”を装ってきたけど、本当の自分がどこかに置いてけぼり」

「恋愛や性別のことを考えるたび、なんでこんなにモヤモヤするんだろう」

「みんなと同じようにできない自分が、どこかおかしいのかな?」

 

そんな思いを抱えたあなたへ。

 

このブログでは語りきれない、
セクシュアリティや違和感、自分らしさとの向き合い方を、
あなただけに届ける“手紙”のようなメルマガでお届けしています。

 

こんなことを書いています

・「わたしって何者?」がわからなかったときの話
・性別や恋愛感情に名前がつかなくて戸惑った過去
・“ふつう”になれない苦しさと、そこからの一歩
・本音を話せる人がいなかった日々のこと …など

 

誰かに言えないまま、心にしまってきたあなたへ。

【あなたは、あなたのままでいい】

そう思えるきっかけになれたら嬉しいです。

 

 

メルマガの詳細はこちらでご覧いただけます

 

メルマガは下記から無料で登録できます。

 

 

「あなたは、あなたのままでいい」 ユウからの手紙




この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次