『セマンティックエラー』漫画シーズン2感想|関係が少しずつ変化していく過程が尊い

※このレビューは原作・ドラマも踏まえた個人の感想です。
※本編ネタバレを含みます。

セマンティックエラーって何?
という方はまずこちらの記事からご覧ください

『시맨틱 에러(セマンティックエラー)』シーズン2では、
チュ・サンウとチャン・ジェヨンの関係が
“敵”から“協力者”、そしてやがて曖昧だけど切実な関係へと
移り変わっていきます。

焦点となるのは、インディーズゲーム開発という共同作業。
ビジネスパートナーとして始まった関係が、
どう変化していくのかが見どころです。

まだ読んだことがないよ!という方は
LINE漫画で日本語版が読めるので、
是非読んでみてください

目次

ロボットサンウがついに理性を失う ※ここからネタバレを含みます

サンウのことが恋愛感情で気になっているジェヨンと
何を考えているのか、普段の態度からはわかりにくいサンウ。

二人は順調に
インディーズゲームの作業を進めていきます。

サンウをできるだけ近くに引き留めておきたいジェヨンは、
大学の作業部屋にサンウを案内します。

サンウも渋々と言った感じでついていきますが、
荒れ放題の部屋と強烈なルームメイトに愕然。

ここで二人が作業することはないのかな…と思いきや、
ジェヨンにテキパキ指示を出して、
サンウは自分に居心地の良い空間を作り出していきます。

初めの頃のサンウだったら、
「こんなところで作業をするなんてありえません。帰ります。」
とか言って出ていっちゃいそうだけど、
“部屋の片付け”という無駄な時間を使ってでも
ジェヨンと一緒に過ごしたいんだな…と思うとにやけます。

ある日、仮眠をとっていたジェヨンの姿を前に、
サンウはついに理性を失ってキスをしまいます。

サンウがジェヨンに起こした突然の行動によって、
今まで”一線”を守ってきたジェヨンの心は
恋愛モードへの舵きりを余儀なくされるのでした。

このシーンはドラマでも映像化されているのですが、
サンウの理性を失った行動は、ジェヨンだけでなく
見ているこちらもドキドキさせられました。

普段何を考えているのかわからないサンウですが、
シーズン1の終わりに、ゲーム制作のためにジェヨンを口説きにいく時といい、
自分の感情にはとても素直で行動が大胆なんですよね。

そんな予測不可能なサンウの行動に振り回されるジェヨンの方が
実は”エラー”に侵されているんじゃないか、とも思えます。

キスで一線を超えた二人がたどり着いた関係

サンウのキス事件のあと、
ジェヨンとサンウ二人のドキドキ飲み会エピソードがあります。

ドラマでもこのシーンがあるのですが、
セマンティックエラーではとても重要な回なので
ぜひ本編でご覧になってください。
さらにドキドキの展開が待っています。

さて、サンウから一線を越えられてしまったジェヨンは
もうすっかり恋愛モード。

しかし、一方のサンウはというと…
自分からしたキスは「異常な欲情」に振り回された結果なので、
無かったことにしようとしているのでした笑

これぞサンウ節。

なぜこんなことを言っているのかというと、
サンウには2つの前提があるからなのです。

  1. 恋人同士でする行為というのは、
    結婚を前提にした男女の間だけで成立するものである。
    ※つまり、男性同士では起こり得ないことだと思っている。
  2. ”恋愛感情”は非理性的な人々が
    性欲を勘違いした結果だと思っている。

とても偏った考え方だと思いますがw
サンウは大真面目にそう思っているんです。

だからサンウは、
自分が非理性的な人々の仲間入りをしてしまったこと、
そして、”非生産的”な男性に性欲を抱いていることを
「問題」だと思っているのです。

しかし、ジェヨンとしては一線を超えてしまったサンウと
どうにか関係をもちたい。

そこでジェヨンが出した提案が
性欲を解消する目的で付き合うことで、
二人で問題に向き合ってみるという方法でした。

つまるところ、
「セフレ」になるということです。

2週間悩んだ末、
サンウはジェヨンの提案を受け入れる選択をします。


しかし、
この”曖昧”な関係は後で様々なトラブルを引き起こしていくのです…。
それはシーズン3のお楽しみ。

サンウの不器用な愛が見えた、失敗の夜

ジェヨンの提案を受け入れたサンウは
ついに性行為をする約束をして、
”準備”を始めます。

しかし、男性同士の性行為をリサーチする中で、
サンウの気持ちはどんどん暗くなっていきます。

そして迎えた約束の日。

ジェヨンとサンウは良い雰囲気になり、
いよいよ初めての性行為に臨もうという段階までいくのですが、
サンウはジェヨンを拒絶してしまうのです。

理由をちゃんと説明されないまま拒絶されたジェヨンは
サンウの態度の変わりっぷりに困惑し、怒ります。

しかし、サンウは涙ながらに「できない」と訴えたまま
自分のベッドで寝てしまうのでした。

サンウの涙を見て怒る気持ちが萎んでしまったものの、
モヤモヤした気持ちを抱えたままのジェヨンは
腹いせにサンウのパソコンを覗き見ることにします。

そこで、ジェヨンは
デスクトップにある「チャン・ジェヨン」フォルダを
発見するのです___。

サンウ…単なる欲情って本当か?

ジェヨンの心の中のつぶやきには
全ての読者が賛同するんじゃないでしょうかね。

さらにパソコンを調べてみると、
サンウが”準備”のために使った視聴覚資料が
とんでもなく暴力的なポルノであることを発見するのでした。

そのときのジェヨンの気持ちを想像したら、
心がじんわりと暖かくなるようなサンウの愛を感じます。

事情を把握したジェヨンは
サンウとの関係を諦めないことを決意。

サンウが自らジェヨンを求めてくるまで、
何もしないと心に決めるのでした。

デリケートなシーンを丁寧に描いてくれるシーズン2

男性同士で性行為をするときには、
どちらが受け入れる側になるのかの事前の相談が必要だし、
受け入れる側は準備も必要。

初めての行為となれば、
気持ちがナイーブになるのも想像できます。

だからこそ、ジェヨンがサンウに拒絶されて
プライドが傷ついたり不安になって怒ってしまう態度とか、

行為についてたくさん悩んで、
それでもなかなか言い出せないサンウとか、
二人の気持ちがリアルに想像できて、
切なくもあり、心温まる回でもありました。

恋愛感情を抱いているジェヨンと、
“性欲を解消する相手”だと思っているサンウとでは、
本来なら温度差が生まれそうな関係。

しかし、実際にはお互いのことを思い合っていて、
読んでいるこちらから見ると、
なんでこの人たち”セフレ”やってんだ?
と思うこともあります笑

サンウはそもそも男同士で付き合うことを
“普通じゃない”ことだと思っているから、
恋愛経験豊富なジェヨンでも迂闊な行動に出れない。

ジェヨンにとっては
サンウに対して抱いている気持ちがそのくらい切実で、
拒否されたり嫌われるということが何よりも怖い。

一方のサンウは理性に負けたときの自分の行動に戸惑うけど、
ジェヨンとの関係が嫌なわけじゃなくて、
むしろ自分の予定よりそちらを優先してしまうくらい重要。

言葉では書かれていないけれど、
二人の感情が表情や背景の表現で丁寧に描かれていて、
見ているこちらも胸が苦しくなったり、
暖かい気持ちになりました。

まだ読んでいないという方は、
ぜひ読んでみてくださいね^^

セマンティックエラー漫画シーズン1のレビューはこちら

セマンティックエラー漫画シーズン3のレビューはこちら



ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。

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