3児の親でありノンバイナリー(Xジェンダー)。
30歳から「自分らしい生き方」を探求中のユウです。
「ノンバイナリーらしさって、どう表現すればいいんだろう?」
「見た目や服装でノンバイナリーらしさって出せるのかな?」
「普段の装いの正解がわからない」
そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?
ノンバイナリーってそもそも何?という方は、まずこちらの記事を読んでみてください↓
わたし自身、ノンバイナリーとして生きるなかで、
「どっちにも当てはまらない自分」がどう装い、どう振る舞うか、何度も悩んできました。
そんなとき、世界中のノンバイナリーインフルエンサーたちの発信に触れて、
「“らしさ”は誰かに教えてもらうものではなく、自分で育てていくものなんだ」と気づかされました。
この記事では、
海外で注目されているノンバイナリーのインフルエンサーたちの振る舞い方や、
“ノンバイナリーカラー”を取り入れたグッズやアイテムについてご紹介します。
こんな人におすすめです
- ノンバイナリーやXジェンダーとしての見た目や振る舞いに悩んでいる方
- ファッションを通して自分らしさを表現したいと考えている方
- 「ノンバイナリーらしく見せなきゃ」と思って疲れてしまったことがある方
- 海外のノンバイナリーインフルエンサーのスタイルに興味がある方
- ノンバイナリーカラーやフラッググッズなど、自己表現の小物を探している方
「ノンバイナリーらしさ」って何だろう?
ノンバイナリーとは、性自認が男性・女性のどちらにも当てはまらない、またはそのどちらにも限定されない人々のこと。
だけど、その「ノンバイナリーらしさ」って、具体的にどんなふうに振る舞えばいいんだろう?
私自身、自分がノンバイナリーだと気がついてから、ずっと「ノンバイナリーらしさ」って何だんだろう?と考えてきました。
答えは「決まっていません」。
「女性らしい」「男性らしい」という枠から自由になること。
それは同時に、「ノンバイナリーらしい」という新たな枠の発見でもあり、同時に、別の枠に当てはまっているということでもあります。
この記事では、そんな枠をも超えて、
「わたしはこう在りたい」と自分を表現している人たちを見ながら、自分だけの“らしさ”を見つけるヒントをお届けします。
インフルエンサーに学ぶ、”ノンバイナリー”という存在
「ノンバイナリーらしさ」に、これが正解という形はありません。
けれど、だからこそ、迷ったときに”先輩の姿”が知りたくなりますよね。
自分をどう表現すればいいのか。
どんなふうに「私らしく」あればいいのか。
そこで、私が注目したのが、
世界中で自分らしく生きているノンバイナリーインフルエンサーたちの姿と言葉でした。
Rain Dove(@raindovemodel)|「No labels, No limits. 私は私」
Rain Dove(レイン・ダヴ)さんは、アメリカ出身のモデル・俳優・アクティビスト。
she/theyの代名詞を使い、性別に縛られない存在として活動を続けています。
中性的なルックスと高身長を活かし、メンズ・レディース両方のランウェイを歩くモデルとして注目されました。
フェミニンなドレスからマスキュリンなスーツまで、どんなスタイルも違和感なく着こなす姿は、「ジェンダーレスファッション」の象徴的存在とされています。
Rainさんの活動はファッションにとどまらず、社会的なメッセージにも一貫性があります。
Instagramのプロフィールには、次のような言葉が掲げられています。
“I am I. No labels. No limits. A ‘human’ in fashion, film & activism.”
(私は私。ラベルも限界もない。ファッション・映画・アクティビズムのなかで生きる“人間”です)
この言葉には、「性別や肩書きにとらわれず、ありのままの自分で在る」という強い意志が込められています。
また過去の投稿では、「私は“female”と出生証明書に書かれているけれど、それは私のすべてを定義するものではない」と語っており、
代名詞についても「どれでも構わない。大切なのは、互いにポジティブであること」といった姿勢を示しています。
Rain Doveさんは、ノンバイナリーの生き方を体現するインフルエンサーのひとりとして、多くの人に勇気を与えてくれています。

Capri Campeau(@capricampeau)|「“女の子”だけじゃない私も、大切にしてほしい」
Capri Campeau(カプリ・カンポー)さんは、InstagramやTikTokで人気のノンバイナリーインフルエンサー。
自らを「女性でもあるし、女性だけじゃない」と公言し、カラーコーディネートやカジュアルなファッションを通じて、ジェンダーのあり方を発信しています。
2022年10月に投稿されたリール動画では、こんな言葉を添えています。
“I’m not a girl (always) but I’m down to be your girl! Only if you respect & acknowledge my non girl parts as well.”
(私は“いつも女の子”というわけじゃない。でも、あなたの“女の子”になるのはOK。
ただし、“女の子じゃない部分”もちゃんと尊重してくれるならね。)
この投稿は、「女性的に見えること」と「自分の性自認」は必ずしも一致しないという、ノンバイナリー特有の感覚を見事に言語化してくれています。
また、#nonbinaryfashion や #nonbinarypride などのタグを積極的に使いながら、フォロワーに向けて「あなたらしい生き方で大丈夫だよ」というメッセージを伝え続けています。
彼女の発信は、“女性に見えるノンバイナリー”という状態に戸惑いを感じたことがある人にとって、特に心強い存在となるはずです。

Jamie Windust(@jamie_windust)|ファッションとことばで“ノンバイナリー”を体現
Jamie Windust(ジェイミー・ウィンダスト)さんは、ロンドンを拠点に活動するノンバイナリーのモデル・作家・スピーカーです。
GlamourやThe Gay Times、ELLEなどのファッション誌やメディアで記事を書いたり登場しています。
著書 In Their Shoes のほか、 TedXLondon でも講演し、自身の日常やファッションを通じてノンバイナリーの可視化を推し進めてきました
著書『In Their Shoes: Navigating Non‑Binary Life』では、次のように語っています。
“Asking us to push away the very walls that are constantly crushing us into small, confined boxes is toxic.”
「私たちを日々締めつける狭くて窮屈な壁を、自分で押しのけろと言うのは、有害な考え方だ。」
この言葉は、「枠から自由になれ」と言いながら、その枠組みの中で苦しんでいる当事者の現実を見ようとしない社会に対する、静かな怒りの表明でもあります。
さらに、TEDでのスピーチやエッセイの中では、ノンバイナリーの人々が法律や制度、メディアから繰り返し「見えない存在」とされてきたことに触れ、こう述べています。
“Non‑binary and gender non‑conforming identities have been continually erased from legislation…”
(ノンバイナリーやジェンダー・ノンコンフォーミングの存在は、立法から継続的に消し去られてきた)
JJamieさんは、これまで声を届けることさえ難しかったノンバイナリーの人たちが、社会の中で存在を認められることの大切さを伝え続けています。
そのファッションや発言、著作は、「ノンバイナリーとして生きることは“静かに存在する”だけではなく、“存在を示す行為そのもの”である」ということを伝えてくれているようでもあります。

Instagramリンク:https://www.instagram.com/jamie_windust
ノンバイナリーカラーやグッズで自分らしさを発信する方法
「ノンバイナリーであること」を、さりげなく・自分らしく日常に取り入れたい。
そう感じている方にとって、ファッションやグッズは有効な自己表現の手段になります。
ここでは、ノンバイナリーの象徴的なカラーや、人気のグッズ・アイテムを紹介します。
ノンバイナリーフラッグの意味を知る

ノンバイナリーフラッグは、黄・白・紫・黒の4色で構成されています。
- 黄(Yellow):男性・女性どちらでもない性
- 白(White):複数の性を持つ人、またはすべての性
- 紫(Purple):男性性と女性性の混合や揺らぎ
- 黒(Black):無性や性別のない存在
これらは、2014年にKye Rowan氏が制作したノンバイナリーフラッグにおいて意図されたもので、世界中で広く認知されている解釈です。
このカラーを使ったアイテムは、世界中でノンバイナリーのシンボルとして親しまれています。
日常に取り入れやすいノンバイナリーグッズ

海外の通販サイトやクリエイターショップでは、ノンバイナリーのフラッグカラーを使った様々なアイテムが販売されています。
たとえば以下のようなアイテムがあります。
- ノンバイナリーフラッグカラーのピンバッジ
- 旗のカラーを配したシンプルなTシャツ
- 日常使いしやすいトートバッグやウエストポーチ
- ステッカーやマグカップなどの雑貨
- カラーリングだけをさりげなく取り入れたアクセサリー(ブレスレット、ピアス)
例えば、Amazonではノンバイナリーフラッグ柄のマグカップやパッチ、シューズの靴ひもなどがあります。
ノンバイナリーカラーのグッズやファッションアイテムを探したいときは、
Amazonで「nonbinary pride」「nonbinary pin」「ジェンダーレス ファッション」などのワードで検索すると、国内外のアイテムが見つかります。
「nonbinary t-shirt」「nonbinary flag merch」などで検索してみるのもおすすめです。
グッズは自己表現の“入口”にもなる
ノンバイナリーの自認を、自分の口で直接誰かに伝えるのはなかなかハードルが高い。
でも、身につけるものや持ち物で「私はここにいるよ」と伝えることで、「わかる人にはわかる」自己表現ができるな、と感じています。
グッズは、そんなささやかな“自分らしさを表現するためのの入口”になってくれます。
他人に説明するためだけのものではなく、自分の存在をちょっと世の中にアピールするために。
そして、ノンバイナリーである自分を肯定してあげるアイテムとしても。
ノンバイナリーカラーを取り入れて、さりげなくアピールしてみるのも、「ノンバイナリーらしさ」のひとつだなと私は思います。
「ノンバイナリーらしく」生きるために大切な視点
ノンバイナリーのファッション、振る舞い、グッズ、インフルエンサーたちの姿。
そのどれもが、「こうあるべき」という形ではなく、「自分はこう在りたい」という思いから生まれているように感じました。
性別の枠を超えて自由になることは、ときに不安や孤独を伴うものです。
周囲に理解されなかったり、自分自身でもまだ確信が持てなかったり。
でも、そんな中で何かひとつ、「これが好き」「これが心地いい」と思える感覚に出会えたら、それはあなたの個性を支えてくれる大きな一歩になるかもしれません。
私にとっては、「ナベシャツ」が大きな一歩のきっかけになりました。
そのエピソードについてはこちらに書いています。
他人にわかりやすく見せることが目的ではなく、
自分が自分として、気持ちよく過ごせるようになること。
あなたが選ぶ服、あなたが選ぶ言葉。
それらすべてが、「あなたらしさ」であり、「ノンバイナリーらしさ」でもあるんだと思います。
この世界に、あなたがいていい理由は、あなた自身が決めていい。
そんなメッセージが、この記事を通して届いていたら嬉しいです。
あなたは、あなたのままでいい。