3児の親でありXジェンダー。
30歳から「自分らしい生き方」を探求中のユウです。
今回は、私が実際に使っている「ナベシャツ」についてのお話です。
胸のふくらみに違和感がある。
服を着たときの見た目が、自分の性別感覚とズレてしまう。
そんな日々のモヤモヤと向き合う中で、ナベシャツは私にとって「安心できる装い」になりました。
この記事では、「ナベシャツってそもそも何?」という基本から、選び方や体型との付き合い方、ファッションの工夫まで、実体験をもとにお話ししていきます。
「ナベシャツ、ちょっと気になるかも」という方のヒントになったら嬉しいです。
ナベシャツとは?意味・役割・使い方をわかりやすく解説
ナベシャツとは?胸のふくらみを抑えるインナー
ナベシャツとは、胸のふくらみを抑えるためのインナーウェアで、胸のシルエットをフラットにする効果があります。
もともとは舞台やコスプレの衣装下着として使われていましたが、現在ではトランス男性、Xジェンダー、ノンバイナリーなど、性別違和感を持つ人たちにとって、日常的に活用されるアイテムとなっています。
海外では「バインダー(binder)」という名前で呼ばれており、ナベシャツと同様に胸部を平らに見せたい人々にとって広く使われています。
特に英語圏ではバインダーの方が一般的で、タンクトップ型・ベスト型など様々なスタイルがあります。
着用することで、他者から見たときの「性別的な特徴」が和らぎ、服選びの自由度が増すというメリットがあります。
ナベシャツを使い始めた理由|Xジェンダー当事者の体験談
胸のふくらみに違和感を覚えた中学生時代
私がナベシャツを着るようになったのは、自分がXであると気づいてからでした。
それまでも、中学生くらいから胸が膨らんでくるのが嫌だったし、運動する時に揺れるのがいちいち気になって仕方がありませんでした。
胸のふくらみがあるだけで、「女性」だと思われる。
その視線や言葉が、日常の些細なことでしたが、無意識のうちに小さなストレスとなって積み重なっていました。
ナベシャツが“男性でも女性でもない”自分らしさを支えてくれた
30歳になって、自分の性自認がはっきりしてから、それまでずーっと気になっていたけれど買う勇気がなかった「ナベシャツ」をついに購入しました。
そして、自分に合うナベシャツを身につけて、自分の姿を鏡で見たときに、「あ、これが、私がなりたかった姿だ。」と思ったんです。
強く抑えすぎず、でもラインが消えるだけで、安心できる。
ナベシャツは、私にとって「自分らしい姿」でいられる大切なアイテムになりました。
この記事では、私が実際に使ってみてよかったナベシャツや、着心地、選び方のポイントなども紹介しています。
ナベシャツと体型の違和感|無理しない選び方
締め付けすぎない“ゆるバインド”で心地よく使うコツ
最初はフラットに見えるけれど、締め付けが強めのものを選びました。
しかし、動きにくさや呼吸の苦しさを感じて、数分と耐えられず、着るのをやめてしまいました。
しっかり抑えることだけが正解ではなく、自分の体に負担をかけずに“ちょうどよく落ち着く”。
ずっと着ていてもストレスが少ない着用感が大事なのだと気づきました。
ナベシャツは下着なので、毎日使うなら「無理なく続けられる快適さ」が最優先です。
ナベシャツを着ない日もある|体調と気分で選ぶ自由
今では、ナベシャツは私のアイデンティティを示す上で欠かせないアイテムとなっていますが、毎日必ず着ているというわけではありません。
普段は着心地のいい普通の下着をきています。
でも、大切なイベントがある日や、友人と出かける日、ちょっとおしゃれをしたい日などはつけるようにしています。
「今日は自分らしくありたい」そういう日に、自分らしさを支えてくれるアイテムがいつもそばにある。
それだけで、普段着ていた下着や胸に対する不満も少なくなっていきました。
ナベシャツは「自分らしく生きる」ためのアイテム
安心感をくれる装いとしてのナベシャツ
ナベシャツを着ること自体が、私にとって「今日1日を素敵な日にする準備」のひとつになっています。安心できる服を選ぶことで、気持ちにも余裕が生まれる。
着るだけで、自分の中に一本芯が通るような感覚があるのです。
「男っぽい」「女っぽい」と言われない装いを選ぶことが、自分を守る手段になるときがあります。
ナベシャツを取り入れることで、“何者かにカテゴライズされること”から少し距離を置ける。
それが、私にとっては安心につながっているのです。
“見た目で性別を決められること”へのささやかな抵抗
外見で性別を判断されることは避けられません。
でも、ナベシャツを着ているとき、私は「そう簡単には決めつけられない存在」でいられる気がします。
それは私にとって、ささやかだけど確かな抵抗であり、自己肯定の一歩でもあります。
Xジェンダーの私にとってナベシャツとは
ナベシャツは「私らしさ」を表現できるアイテム
ナベシャツは、単に胸を潰してくれるインナーではありません。
「女性でも男性でもない私が、自分らしくいるための道具」です。
その着心地や存在自体が、私が私でいるための、日々の安心や自信につながっています。
他人に説明しなくても、自分にフィットする装いを選べる時代へ
他人に理解されなくても、自分が納得できる装いを選ぶこと。
それが、今の私にとって一番大事なことです。
ナベシャツは、そのための一歩。
誰かの期待に合わせるのではなく、「私にフィットする暮らし方」を、これからも大切にしていきたいと思います。