ノンバイナリーに見えない…見た目で伝わらない苦しさと向き合う方法

「ボーイッシュな格好をしても、“女性にしか見えない”って言われてしまう」

ノンバイナリーとして生きているのに、他人から見た「見た目」で性別を判断される。そんな違和感を抱いたことがある人は、きっと少なくないと思います。

私自身、ボーイッシュな服を選ぶことも多いけれど、「男性らしい」よりも「女性らしいけど中性的」と捉えられることが多い。女性の友人から「似合ってるね」と言われるのは嬉しいけれど、そこに“ノンバイナリーっぽさ”という視点は見当たらない。

ノンバイナリーは「男性でも女性でもない」存在のはずなのに、社会の“性別っぽさ”という物差しの中では、私たちの存在はとても見えにくいんです。


性別っぽさで判断される社会と、ノンバイナリーの“見えなさ”

私たちは「男性に見えるか」「女性に見えるか」という判断軸の中で見られがちです。その中で「ノンバイナリーに見える」という判断軸は、まだ社会の中に浸透していません。

ノンバイナリーというアイデンティティは、他者の目に“明確に映る”ものではなく、内面の在り方であることが多いからです。


見た目だけでは伝わらない苦しさ

「自分の中では確かに“ノンバイナリー”なのに、周囲にはそれがまったく伝わらない。」

これは、見た目でしか判断されないことへの息苦しさにつながります。ときには、自分を表現することすら面倒に感じてしまうほどです。


目次

「ノンバイナリーに見えない」と言われて——他の当事者たちの声

💬「ヒゲが生えてるから、男だと思われる。けど自分は“どっちでもない”って思ってる」

“I’m a nonbinary person with facial hair, and people constantly assume I’m a man. It feels like my identity is erased just because of one feature.” (出典:https://www.them.us/story/nonbinary-visibility-week-voices)

体の特徴や性二次性徴で判断されてしまうことで、外見と内面のギャップに悩むノンバイナリーの声は多く聞かれます。

“ヒゲがあるから男”“胸があるから女”という見方が根強く残っている中で、自分の自認が他者から否定されるような体験は、深い傷を残します。


💬「スカートを履くと、“女性に戻ったの?”って聞かれる」

“Wearing a skirt shouldn’t mean I’m a woman again. I’m still me, nonbinary. Clothes don’t change that.” (出典:https://www.refinery29.com/en-us/what-does-non-binary-mean-identities)

ノンバイナリーは「男性でも女性でもない」ことを意味するのに、服装ひとつで「どちらかの性に戻った」と見なされることもあります。

どんな服を着ても、それは“自分らしさ”の表現であるはず。それなのに「性別をアピールしている」と受け取られてしまう。このズレが、日常的なストレスにつながっているのです。


「見た目で“伝わってほしい”と願うのは、わがまま?」

ノンバイナリーフラッグがくれた“見つけてもらえた”体験

私がこの考えに変化を感じたのは、Tokyo Prideに参加したときのこと。

その日、私はノンバイナリーフラッグの色を使った小さなピンバッジをカバンにつけていました。普段は口にしにくい「私はノンバイナリーです」という思いを、そっと伝えたかったのです。

すると、すれ違った参加者の方が私のカバンを見て、 「ノンバイナリーの方なんですね」と声をかけてくれました。

その瞬間、胸が熱くなりました。

私はずっと、誰の目にも映らない“透明な存在”のように感じてきた。けれど、あのとき初めて「あなたを見つけたよ」と言ってもらえた気がしたんです。


私にとってフラッグカラーとは

あの日以来、私はノンバイナリーフラッグの色が持つ意味を、前より深く考えるようになりました。

自分の存在を大きく主張したり、誰かに押しつけたりするものではなくて、ただ静かに「ここにいるよ」と伝えるための、小さな目印になるんだと思います。

だからもし、ノンバイナリーとしての自分を少しでも“見える”ようにしたいと感じることがあれば、フラッグカラーを身につけたり、カバンや小物につけてみるのも一つの方法かもしれません。

それは、自分の存在をそっと外の世界にひらく、やさしいサインになるからです。


“わかってほしい”という願いは、弱さじゃない

「自分の存在を誰かに知ってほしい」と願うことは、決して弱さやわがままではありません。

私たちが社会の中で安心して生きていくためには、「見つけてもらえる」ことが必要なんです。言葉にするのが難しいとき、色やデザインが、代わりに気持ちを伝えてくれることもある。

だから、ノンバイナリーという言葉がまだ浸透していない今だからこそ、見えにくい存在を「見えるようにする」工夫は、私たち自身を守り、つながりをつくるきっかけにもなります。

ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。

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