Xジェンダーとは?意味・種類・私が“中性”という性自認に気づいた理由とリアルな体験談

「自分は男の子になりたいのかな?」

子どもの頃からどこかモヤモヤした気持ちを抱えていました。

周りの子のように“女子っぽく”も“男子っぽく”もなれなかった。

そんな私が出会った言葉、それが「Xジェンダー」でした。

この記事では、Xジェンダーの定義や種類、
トランスジェンダーとの違いや最新の統計データ、
そして実際に私が「中性」という性自認に気づくまでのリアルな体験も交えて、
詳しくお話ししていきます。

目次

Xジェンダーとは?意味と定義から解説

性自認とXジェンダーの関係

Xジェンダーとは、自分の性別を「男性」「女性」といった既存の枠に当てはめない、または当てはまらないと感じる人々の性自認のひとつです。

国際的には「non-binary(ノンバイナリー)」や「genderqueer(ジェンダークィア)」という言葉でも表現されることがあります。

出典と定義の紹介

日本のNPO法人「共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク」によれば、Xジェンダーは「男女のどちらにも属さない、またはその中間、または変動する性自認を持つ人のこと」とされています。

また、米国心理学会(APA)は、性自認について「人間の多様なアイデンティティの一部」であり、「生物学的な性と必ずしも一致しないことがある」としています(APA, 2015)。

APA公式サイト:https://www.apa.org/topics/lgbtq/orientation

Xジェンダーの主な種類と特徴

Xジェンダーの中にもさまざまな“感じ方”があります。
ここでは、代表的な4タイプを紹介します。

1. 中性(ちゅうせい)

男性でも女性でもない、中間のような感覚を持つ人。私自身がこれに当てはまります。

2. 両性(りょうせい)

男性と女性の両方を自分の中に感じる人。

3. 無性(むせい)

性別という概念を持たない、あるいは性を感じない人。

4. 流動(りゅうどう)

時期や状況によって、性自認が変化する人。性流動性(gender fluid)とも呼ばれます。

最新の統計データ:Xジェンダーはどのくらいいる?

2023年の電通「LGBTQ+調査」によると、日本におけるノンバイナリー(Xジェンダー)の割合は1.38%、トランスジェンダーは1.15%と報告されています。

出典:https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/news/2023/10/17.html

また、世界30か国を対象としたイプソスの国際調査では、ノンバイナリーやジェンダーフルイドと自認する人はそれぞれ1%程度存在するとされています。

出典:https://www.ipsos.com/sites/default/files/Ipsos%20LGBT%2B%20Pride%202023%20Global%20Survey%20Report-ja.pdf

Xジェンダーは少数派かもしれませんが、確実に存在し、可視化が進んでいるのが現状です。

トランスジェンダーとの違いを正しく理解しよう

トランスジェンダーとは、「出生時に割り当てられた性」と「自身の性自認」が一致しない人のことを指します。

Xジェンダーも広義ではトランスジェンダーに含まれることがありますが、 主に「男性」「女性」のどちらにも当てはまらない、またはその中間・流動的な性自認を指す言葉として使われます。

一方で、トランスジェンダーの多くは明確に「男性になりたい」「女性になりたい」という自認を持ち、性別適合手術やホルモン治療などを受ける人もいます。

出典:https://jobrainbow.jp/magazine/transgid

Xジェンダーとトランスジェンダーは似ているようで、性別二元論へのスタンスが異なることが特徴です。

私が「中性」と気づいた理由とその背景

私は生物学的には女性として生まれました。けれど、幼い頃から「女の子らしい」ことが苦手でした。

小学校ではスカートが苦手で、ランドセルのリボンがいやで…でも「男の子になりたい」とも思わなかった。

中学生になると、「女子」としてのふるまいを求められることが増え、次第に自分が誰なのか、わからなくなっていきました。

一番大きな転機は、出産・育児でした。

“お母さん”というラベルを強く求められる中で、私はどんどん「女性」としての役割に息苦しさを感じるようになりました。

けれど子どもは愛おしく、家庭も大切。

そんな中で出会ったのが、「Xジェンダー」という言葉。なかでも「中性」という在り方に、自分の感覚がすっと重なったのです。

“性別のグラデーション”という考え方を知ったとき、ようやく深呼吸ができた気がしました。

Xジェンダーとしての生活:悩みと希望

困ったこと

  • 書類やパスポートに「性別欄」があるたびに、どちらかを選ぶことへの違和感
  • 「どっちなの?」と聞かれる苦しさ
  • 子育ての中で、周囲に“お母さんらしさ”を求められること

良かったこと

  • 自分を偽らずに表現できるようになった
  • 同じような悩みを持つ人とつながれた
  • 子どもに「多様性を教えられる親」になれた気がする

「わがまま」じゃない。“性自認”は心の奥の感覚

「性別をはっきりさせないなんて甘えでは?」という言葉を耳にすることもあります。

けれど、性自認とは外から決められるものではありません。

自分の「心の声」に耳を傾けたとき、そこに浮かび上がるものが性自認です。

科学的にも、性自認は生まれつきの要素と環境要因が複雑に絡んで形成されると言われています(WHO, 2021)。

よくある質問(FAQ)

Q: Xジェンダーとノンバイナリーの違いは? A: Xジェンダーは日本独自の言葉で、ノンバイナリーは国際的に使われる用語。どちらも「男性でも女性でもない性自認」を指します。

Q: Xジェンダーは戸籍の性別を変更できますか? A: 現在の日本の法律では、Xジェンダーのような非二元的な性別を戸籍に反映させることはできません。選べるのは「男性」か「女性」のみです。

まとめ|Xジェンダーという言葉は、誰かの“安心の種”になる

  • Xジェンダーとは「男女どちらでもない・その間・どちらでもある」など、多様な性自認のこと
  • 「中性」「両性」「無性」「流動」などの感覚がある
  • 私自身は育児を通して「中性」と気づいた
  • 性自認に迷うことは自然なこと。自分を責めず、安心できる場所を探していい

もしあなたが、この記事で少しでも「ホッとした」なら。

それは、あなたの心が“本当の自分”と出会いはじめた証かもしれません。

ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。

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