3児の親でありノンバイナリー。
30歳から「自分らしい生き方」を探求中のユウです。
私は30歳で
自分がノンバイナリー(Xジェンダー)であると気づきました。
これまでの人生、
性別に対する違和感を抱えながらも、
「なんとなく周りに合わせる」ことで
やり過ごしてきました。
でも、ふとした瞬間に
「私って一体何者なんだろう?」と考え込むことが増え、
自分自身と向き合うことになりました。
今回は、Xジェンダーとして私が直面した悩みや葛藤、
そして家族や友人と
どのように向き合ってきたのかをお話しします。
私と同じように悩んでいる人にとって、
少しでもヒントになれば嬉しいです。
Xジェンダーとしての違和感と悩み
「男か女か」という二元的な枠組みが
当たり前の社会で生きていると、
Xジェンダーとしての違和感は日常のあちこちで湧いてきます。
私の場合、
特に次のような場面で「違和感」に苦しみました。
1. 「普通」に馴染めない違和感
保育園の頃には女の子らしい遊びよりも
戦隊モノのごっこ遊びに混ざって
ウルトラマンの役をやるのが好きでした。
でも、周りの大人や友達に
「女の子なんだから○○しなさい」
「お姉ちゃんなんだからお母さんの手伝いをしなさい」
と言われるたびに、
「男の子だったらしなくていいの?」
という疑問を抱えていました。
でも、周りの子たちは特に気にする様子もなくて、
「私は“普通”じゃないのかな」とモヤモヤしていました。
成長するにつれ、
性別による役割を押し付けられることが増えました。
例えば、職場で会議の時に
自分の仕事を中断してお茶を出すように言われたり、
「女の子なんだからもうちょっと愛想良く」と
言われたりしました。
会社で生きていくためには
同じチームのメンバーと
それなりにうまくやっていかないといけないので、
疑問に感じても本音を言うことはせず、
自分を押し殺していました。
2. 名前や敬称に感じる違和感
日常的に使われる「〇〇さん」「お姉さん」「彼女」などの
性別を前提とした呼び方にも違和感がありました。
街中でキャッチの人にかけられる
「ねえねえお姉さん」
男友達と一緒に遊んでいる時に
「彼女とデート?」と聞いてくる店の定員
そういう、
知らない人から「女性」に見られていると感じる発言に、
「ん?」と気持ち悪さを感じていました。
でも、わざわざ説明するのも疲れるし、
結局笑ってごまかすことが多かったです。
ちょっと話はそれますが、
私はユウという名前であることから、
名前だけを見た初対面の人には男性と間違われることが多いです。
学校で学期始めや初めての先生に名前を呼ばれるときは
大概「〇〇くん」と呼ばれていました。
でも、「はい」と返事をしたことはあっても、
「女です」と訂正したことは実は一度もないんです。
これはちょっとした、
私の世の中への反抗でした。
3. 自分のアイデンティティをどう伝えるか
30歳になり、
自分がXジェンダーであると認識しましたが、
周りにどう伝えればいいのか迷いました。
カミングアウトすれば否定されるかもしれないし、
そもそも「Xジェンダー」という言葉を知らない人も多い。
「説明すること自体がしんどい」と感じることもありました。
家族や友人との向き合い方
Xジェンダーとして生きる上で、
家族や友人との関係をどうしていくかは
私にとっては大きな課題でした。
私はカミングアウトをする時には
次のようなことを意識しながら向き合いました。
1. 「理解してもらう」より「知ってもらう」
最初は
「私のことを理解してほしい!」という気持ちが
なかったと言えば嘘になります。
でも、相手の反応に期待感を抱いてしまうと、
一喜一憂してしまい、心がすり減りました。
そこで、
「すぐに理解できなくてもいいから、
まずはこういう人もいるんだと知ってもらえたらいい」
と考えるようになりました。
特に家族には、
「私にとって大切なことだから」と伝え、
少しずつ話すようにしました。
ちょっと否定的なことを言われそうになったときは、
「無理に理解しようとか、合わせようとしなくていいから」
と言って、
相手の混乱を理解しているということを伝えた上で、
自分にもそれ以上のことは言わなくていいよ、
と暗に伝えました。
2. 伝え方を工夫する
いきなり「私はXジェンダーだ」と言っても、
ピンとこない人の方が多いと感じています。
なので、相手に合わせた伝え方を意識しています。
例えば、ジェンダーに関心がある友人には
「最近、こういう考え方を知ってね」
とカジュアルに話し、
「私もそうかもしれないと思ってるんだ」
と確定的ではなくやんわりと伝えたりします。
家族には「ずっと違和感を感じていたんだ…」と、
私自身の気持ちから話しました。
私の夫は私の言葉や感情よりも
一般的な意見や根拠のあることを好むので、
ネット記事や本を紹介してちょっとずつ知ってもらう
という手を使ってみたりもしました。
「こういう考え方があるらしいよ」とシェアすると、
少しずつ関心を持ってもらえることもあります。
3. 自分の心を守る選択をする
すべての人が理解を示してくれるわけではありません。
時には否定されたり、
無関心な態度を取られたりすることもあります。
でも、そこで
「私が間違っているのかも」とかと思う必要はないんですよね。
私は、
「自分の存在を否定する人とは、
無理に分かり合わなくてもいい」
と考えられるようになりました。
それは別に、
セクシャリティに関係なくて、
人との付き合いにおいては誰しもが当てはまることです。
無理に関係を続けるより、
安心して話せる人とつながっているほうが、
ずっと居心地がいいし、
自分を大切にしてくれる人を
私も大切にしたい、と思えるようになりました。
自分らしく生きるために
Xジェンダーとして生きることは、
時に孤独を感じることもあります。
でも、「自分が何者なのか」を知り、
丁寧に受け入れることは、
とても大切な一歩だと思います。
私は、
「Xジェンダーであることが、自分らしさの一部なんだ」
と思えるようになってから、
少しずつ気持ちが楽になりました。
家族や友人との向き合い方に正解はありませんが、
「私はこうありたい」と思う気持ちを大切にしながら、
自分のペースで伝えていくことが大事だと感じています。
もし、同じように悩んでいる人がいたら、
「あなたはあなたのままで大丈夫」と伝えたいです。
一緒に、
自分らしく生きる道を探していきましょう^^